2008.04.27
ディズニー「キム・ポッシブル ザ・シークレットファイル」

「ビビるなよキム!」
「大丈夫」
「でも僕はビビってる!!」
米ディズニー製作のテレビアニメ。2002年から放映開始、第4シーズンまであわせて全87話分が製作された。日本では2003年よりCS放送及びテレビ東京で放映。日本で発売されたDVDは劇場版を含めて4枚、このシークレットファイルにはテレビ放映4話分が収録されている。
アメリカのミドルトン高校に通うキンバリー・アン・ポッシブル(通称キム)はチアリーダー部に所属する普通の女の子。だが一度ウェブサイトに依頼があれば、世界の何処へでも駆けつけ人々の危機を救うスーパーヒーローと化す。幼馴染の助手ロンをお供にコンピュータの天才ウェイドのバックアップを受け、世界を駆け巡り世界征服を企む悪人たちと戦うのだ。
すげー!キム・ポッシブル超面白い!!何年か前からタイトルだけは知っていたのですが、名前から北の首領様の名前が頭にチラついて嫌悪しか感じていませんでした(正直日本人にはちょっと微妙なタイトルだと思う)。まさかこんなに面白いアニメだとは。キャラクター、絵、セリフ全てが最高。パワーパフガールズ以来久々の傑作の予感です。
朝方やってるのをチラ見したら見事にハマってしまい早速DVDBOXを探したのですが、ショックなことにBOXは出ておらず日本で発売されていたDVDもわずか数枚のみ。とりあえず店頭に置いてあるこの一枚を購入したのですが、収録されている何話かは既にテレビで見たエピソードで死にたくなりました。第1話が見たいのに一体どうしたらいいのやら。放映タイトルリストもなかなか見付からない上、詳しい製作スタッフも見当たらず今更ながら時代に乗り遅れた疎外感を感じております。
眉間にしわを寄せたカオがトレードマークの女の子キムはスーパーヒーロー。ですが怪力や目からビーム等の超能力はありませんし武器も所持していません。主な道具は移動に使うワイヤーガンくらい。自然と戦いはアクロバティックな肉弾戦となり、それがたまらない魅力になっています。得意のしなやかな前宙やマーシャルアーツが超ステキ。助手のロンとの掛け合いギャグ、間抜けな悪党もボケまくりで実に楽しい。基本的に一話完結で世界をまたにかけるというのがいいですね。あらゆる要素が私の好みで構成されている感じです。
設定のそこここにオタク(ナード)要素を配置してあるのが特徴的で面白いです。代表的な敵役Dr.ドラッケンはキムの父親の学生時代の友達でナード仲間からイジメられたことから怪人になっていたり、花形クラブのチアリーダー部に所属しているキムがあるぬいぐるみのマニアである事をひた隠しにしていたり。ゲーム大好きフィギュア大好き三枚目、オタクそのもののロンが助手なのがいい例ですね。ジョックとナード、アメリカンスクールのヒエラルキー(階級社会)を知るとまた違った楽しみ方が出来ます。ともあれ何も考えずに観ても誰もが楽しめる娯楽作であることは間違いなし。自分もこれから頑張って何とか全話観るつもりです。楽しみ。
■関連リンク■
キム・ポッシブル 第1シーズン エピソード一覧(海外ドラマ私的ブログ)
キム・ポッシブルKim Possible(海外アニメ漫画@2ch掲示板)
2008.04.15
岩月博之「オメガファイブ サウンドトラック」

BGM制作当初に企画側から頂いた「好きに作って良し」という有難いお言葉のフリーダムさに却って悩んでしまったり、制作途中にストリーミング再生からシーケンス再生へ移行したり、なぜかネットワーク用ライブラリを書いたり、納期直前に開発中のレトロモードの画面を見て急遽専用BGMを夜なべして入れたり(ライナーノーツより)
XBOX360のダウンロード専用ソフト「オメガファイブ」のサントラ。楽曲製作は「ニンジャウォーリアーズアゲイン」「ワイルドガンズ」の岩月博之。本編BGM&レトロモードBGMおよびスーパースィ−プの面々によるアレンジ曲が収録されている。ゲーム制作は太古の昔から2Dアクションを造り続ける老舗メーカーナツメ。
待ってた待ってたー。考え無しにテクニクなんとかのサントラと一緒に注文してしまったので、発売から一ヶ月遅れでようやく届いたですよ。岩月さんのお名前を拝見するのはプレステのGEAR戦士電童以来。オッメガファーイブの曲は一聴した感じでは渡部恭久さんか並木学さんだと思っていたので意外や意外。岩月さんがこんなストリングスの使い手だとは思ってもみませんでした。実にシューティングゲームらしい曲が勢揃いしていて聴かせます。私はスーパースイープ安井洋介さんのSTGアレンジ全般が大好きなのでそれ目当てで購入したのですが、原曲もかなりいい感じ。通して聴く事のできる一枚でした。他にも野呂一生まんまの佐宗アレンジとか、細江さんが珍しく原曲に忠実にアレンジしてたりして楽しめます。
さて、ビデオゲームのBGMをアレンジ曲に任意で切り替えられる試みは、記憶している限りではセガサターンの「ストリートファイターZERO」辺りから始まったと思うのですが、それは『アーケードゲームを家庭用に移植する際の付加価値』としてのものであって、移植という大前提が無いことには存在し得ない要素でした。だから最初から本編とは別のアレンジBGMが用意されている家庭用ゲームソフトなどはほとんど無かったと思います。それが本編よりもプアな音源によるチップチューンアレンジだとすればなおさら。元曲をアレンジするという行為は貧弱な音源を豪華に装飾する+普通の音楽に近づけることが目的で、そもそもダウングレードさせる必要性など無かったのです。ハードが進歩してビデオゲームからその「貧弱な音源」が失われるその時までは・・・。
1999年に発売されたプレステのアクションゲーム「ちっぽけラルフの大冒険」では、オプションでBGMをPSG音源ver.に切り替える事が出来ました。アレンジ曲切り替えによるノスタルジー、レトロ気分の演出はおそらくこのタイトルが初めてだったと思われます。「ちっぽけラルフ」はゲーム自体がX68000という忘れられつつあるPCへのノスタルジーを内包して製作された節があり、この頃から既にビデオゲームの過去への回帰願望は存在していたことが分かります。少ないメモリと容量、貧弱な音源から苦心の末に引き出された既存の音楽の劣化バージョンだったチップチューン。しかしその貧弱な音源こそが魅力的だったのだと、昔からのゲーム音楽ファンのみならずゲーム製作者もそう感じていた事に気付かされる一本でした。
オメガファイブも演出とキャラ造形は3Dながら、ゲームシステムはR-TYPEを思わせる懐かしの2D横スクロールシューティングで、隠しで用意されたレトロモードも色数が減少+BGMがFM音源にとターゲットの年齢層にピンポイントなものになっています。そういう試みは年寄りゲーマーだけに向けたものではないとは思いますが、私のような古い人間にはこれからも波及していって欲しいビデオゲームの一つの方向性であります。
関連リンク:「オメガファイブ サウンドトラック」WEB特製ライナーノート
「オメガファイブ サウンドトラック」作曲者:岩月博之/海外インタビュー
2008.03.25
キリンジ「スウィートソウルep」

今でもあなたは探しているの? 醸し出されることのない美酒を
雨に負けぬ花になるというの? やわらかな心を石に変えて(track.3「愛のcoda」)
兄弟ポップデュオ、キリンジの東芝EMI移籍後第一弾シングル。6曲+インストver.6曲でほとんどアルバムと言っていい趣の一枚。愛に踏み切れなかった過去を悔やむ女性の絶望を歌ったtrack.3「愛のcoda」、アルコール中毒の苦悩を歌ったtrack.5「悪い習慣」など収録曲が秀逸。2003年3月発売。
先週大貫妙子さんのラジオ番組にキリンジがゲストで出ていたので楽しく拝聴しました。妙子さんの地の底から響くような低音ボイス相変わらずいいわあ。ゲストタイムの最後に妙子さんが「愛のcoda」をリクエストした際、妙子さんが『ver.違いを全部聴き比べたら中里正男さんのマスタリングver.が一番素晴らしい』とマニアな事を言っていたので、自分でも聴き比べてみることにしました。私が知る限り「愛のcoda」のver.違いは3つ(聴いた事があるのは2つ)。ジャケットの奥付を調べてみたところ、中里正男マスタリングver.はシングル「スウィートソウルep」収録のものでした。「スウィートソウルep」は5年前、皿が溶けるほど聴いた思い出深い一枚。思い返してみると、アルバム「for beautiful human life」に入ってる方の「愛のcoda」はあまり聴いた事が無かったのでいざ視聴。
・・・結構違うもんですね。マスタリングでこんなにパートの音配分が変わるとは。こういう調整はミックスの段階でやるもんだと思っていました。中里正男マスタリングver.ではオケが歌の邪魔をせずあくまで裏方に徹しているのに比べ、「for beautiful human life」の前田康三マスタリングver.では楽器の音に主張が見られます。コーラスの音量も大きいし、人によってはキーボードやストリングスがうざったく感じるかもしれない・・・微妙な好みの問題だとは思いますが。私もさんざ聴き倒した中里ver.の方がしっくり来ますね。ついでに「スウィートソウル」も聴き比べてみましたが、やはり歌中心の中里ver.か楽器を利かせる前田ver.かで違いがありました。「奴のシャツ」などはオケ中心の曲で成功していると思うので、この違いは面白いですね。他の曲にもエンジニア違いでどんな特徴が生まれるのかいろいろ聴き比べてみたくなりました。
これまでも編曲家(アレンジャー)まではよくチェックしてたんだけど、マスタリングエンジニアもなかなか重要なポジションなんですね。辿っていけば最近のCDの音量が大きいのも、昔のCDの謎の高音も理解できるようになるんでしょうか。
●キリンジ オリジナルアルバムの担当マスタリングエンジニア
・中里正男(ペーパードライヴァーズミュージック、47,45、スウィートソウルep)
・前田康三(3、Fine、for beautiful human life)
・宮本茂男(DODECAGON、7)
2008.03.23
佐藤多佳子「しゃべれども しゃべれども」

「俺は面と向かってなら、誰にでも、どんな悪口でも言える。ピストルを持ったヤクザにでも、偉い政治家にでも言える。フロントにでも監督にでもスター選手にでも言える。でも、知ったかぶりを決め込んで、顔の見えない大勢の聞き手に向かって、選手の陰口をきくような真似はできない」(P209より)
駆け出しの落語家が始めた「話し方教室」に集う人々の交流を描く。ラジオドラマ化や漫画化もされ、2007年にはTOKIOの国分太一主演で映画化。
「俺」は落語家の今昔亭三つ葉。前座よりちょい上の二つ目という位置にいる。ひょんな事から、ガキの頃の吃音がぶり返して困り果てた従兄弟に頼まれて『話し方教室』なんぞをやる羽目になってしまった。しかし話し方を教えるといっても、俺が教えられるのは落語しか無いのだが・・・。
久々にいいものを読んだ満足感で一杯なのですよ。素晴らしい。全年齢向けで笑えて泣けて展開も面白い小説なんてそうそう出会えるものじゃないわけで。ここ数年で読んだ本の中では間違いなくベスト。何度繰り返し読んでも面白い。どこか一癖ある登場人物同士の掛け合いが最高です。
TBSの「タイガー&ドラゴン」、NHK大阪の「ちりとてちん」とここのところ落語界を舞台にした傑作ドラマが多くて嬉しい昨今ですが、この小説もかなり上手に落語を物語に取り込んで成功しています。前述のドラマ2作と同じく落語の復興に向けた啓蒙活動的な一面も見せつつ『ジャズも落語も一緒だ。昔の名人を聴けばいい。もう終わった時代のものだから』と登場人物に辛辣なセリフを吐かせたりと一筋縄ではいきません。テーマ自体は今時の作品らしく森田療法的な方向へ収束していきますが、小三文一門会とラストのまんじゅうこわい東西対決の緊迫感は只事ではありません。熱くて手に汗握るよ。
阪神フリークのひねくれ坊主、村林優がいいキャラ過ぎて見せ場も多いので湯河原と良の結末がキチッと描ききれていないのが残念といえば残念。まぁ、これで湯河原と良にまで見せ場を作ったら(湯河原が野球解説で一発ブチかますとか)収集つかなくなりそうですが。
ろくごまるにも封仙終わらせたらこういう作品書いてくれないかなぁ。無理かなぁ。
2008.03.20
ジョエル&イーサン・コーエン「ノーカントリー」

「人は失ったものを取り戻そうとしてさらに失うのだ。結局出血を止める他はない」
ダメな人が少し欲をかいた為に不運な事件に遭い、マヌケなドジを踏んでみじめに死んでいく作品を撮らせたら世界一。コーエン兄弟の快挙、第80回アカデミー賞作品、監督、脚色および助演男優賞受賞作。
1980年代のアメリカ、テキサス。砂漠でハンティングを楽しんでいたベトナム帰還兵ルウェリンは、丘の下で数台のクルマと射殺された複数の死体を発見する。二つの組織が麻薬の取引で揉めて相打ちになったらしい現場を調べるうち、ルウェリンは大金の入ったトランクケースを発見する。自宅にトランクを持ち帰ったルウェリンは、唯一生き残った怪我人に水を与える為に現場へ戻るが・・・。
面白い脚本があっていい感じの"間"を撮れたら映画にBGMはいらないですね。むしろ邪魔。以下ネタバレ。
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2008.03.18
キリンジ「7」

カバンの中のスタンガン 星よりひそかにGPS 横顔きれいな髪
防犯カメラの中の 君がもしもの時は言ってよ please(track.12「もしもの時は」)
兄弟ポップデュオ、キリンジの7枚目のオリジナルアルバム。シングル「朝焼けは雨のきざし」とネット先行配信された7曲を含む全12曲入り。
昨年はシングルに文具を抱き合わせたり、毎月ネットで新曲を配信するなどいろいろな試みが成されましたが、あんまり個人的にキュンとくる仕掛けは無かった気がします。じっくりいい曲作って、小さなハコだろうと出来るだけライブで全国回ってくれれば他に何もいらないのに。新曲のネット配信も本気だったら『アルバムにバージョン違いを収録』などとケチを言わず、ネット配信のみでしか聴けない曲があってもおかしくないと思うんだけど・・・勝手な言い草ですが。楽しみにしていたニューアルバムとはいえ、既にネット配信で大半の曲は視聴済みなので、実質的な新曲は4曲。通して聴いても案の定まとまりの無いバラバラなアルバムです。以下一通り聴き飛ばした感想。
「宇宙のパノラマ」+「the echo」的な趣のスピーディーな一番手「家路」。サビ頭の"鳴らすー↑のさー→"の部分がフラットなのが不満だったけど、ジワジワ良くなってきました「朝焼けは雨のきざし」。マイケルの極意は"フゥー!"とか"ダッ!"じゃなくて息継ぎ時の"ハッ、ハッ"だと思う「SHOOTIN' STAR」。エレクトロニカなバースデーソング「今日も誰かの誕生日」。「Fine」や東芝時代を思わせるちょっとナーバスな一曲「タンデム・ラナウェイ」。アルバム中、合作はこの曲1曲のみ?兄曲弟詞「君のことだよ」。ネット配信ver.は超お気に入りソングですがアルバムver.はイントロとエフェクトが最悪「ジョナサン」。ヤスお得意のダラダラソング「Ladybird」。展開もサビも今アルバム最強、兄樹のお引越し夢想「この部屋に住む人へ」。ポール・マッカートニーみたいなシンプルで楽しいポップス、コールミー♪コールミー♪「囁きは天使のように」。作詞・作曲、演奏、歌全て自分。ミックス自宅。ヤスのひとりでできるもん「グレイハウンド・マン」。おぞましい歌詞がポップに煌くストーカーソング「もしもの時は」。
バラバラだけどいいアルバムです。ドデカとは別の意味でイイ。ジャケットでヒゲ+サングラスでウォルター・ベッカーみたいになってるヤスがいいですな。あと、最悪にCDが取り出しにくいケースだったので閉口しました。あの真ん中がミスドのフレンチクルーラーみたいなヤツ。聴く前にCD割りそうだったよ。再考を促したい。
過去記事:キリンジ「DODECAGON」
2008.03.16
virt「魂斗羅 Dual Spiritsオリジナルサウンドトラック」

ジェークは、日本のゲーム音楽・サウンドプログラム(この中には、アメリカで発売されていないPC-98シリーズやX68000シリーズも含まれる)に対する深い尊敬の念を持っている。尚、ジェークは、まだ魂斗羅 Dual SpiritsをHardモードではクリアしていない。(ライナーノーツより)
待ち焦がれていたvirt(ジェーク・カウフマン)の新譜と共に魂斗羅DSが届きました。昨年暮れに海外のみで発売された魂斗羅4の日本ローカライズ版ということで、virtの現時点での新譜は52 WeeksのPut Out A Fire And Get Stonedですが、輸入を躊躇していた自分みたいな人間には待ちに待った一枚であります。6歳よりファミコンの魂斗羅プレイを日課とし、日本人の誰よりもコナミのファミコンPSGミュージックを愛し、そのテクニックを継承しているアメリカ人virt。海の向こうの魂斗羅ファンがその正統続編に携わるという快挙の一作です。魂斗羅シリーズ過去作の名曲の数々をリアレンジしながら、古き良き時代を思わせる正統アクションゲームサウンドを聴かせてくれます。サントラはゲーム中のBGM27曲に加え、ボーナストラックとしてリードギターprozax、ベースnorg、キーボードvirt、プロデュースmideeという海外アレンジ好きにはピンと来る面子のスペシャルバンド、the Smash Brosによるアレンジ曲が一曲収録。
ゲームファンが若い頃に感動した作品の続編を自ら手掛けるというのがイイですね。ロックです。レッチリのギターの人とか、最近ではyoutubeがきっかけでジャーニーのボーカルに抜擢された人が思い浮かびました。好きで好きで、どれだけ好きなのかを表現していたら想いが伝わったという感じがステキ。ノーマルの一面にほぼそのまま過去の同人アレンジが使われているのが、virtのファンとしては嬉しいところ。サントラは約38分と収録時間は少ないものの聴きどころ満載です。グラディウス系サウンドを思わせるtrack.13とチョッパーベースが踊り狂うtrack.14が特にお気に入り。
ゲームの方は真・魂斗羅>ネオコントラの流れからは外れる先祖帰り的な内容。ハードがDSでドット絵の2Dアクションでは致し方ないとも言えますが、あえて魂斗羅4と銘打たれたのはスーファミの魂斗羅スピリッツの北米版タイトルが『魂斗羅3』だったからだと思われます。15年以上も前に名作アクションと呼ばれた3の続編を目指し、おそらく4の開発はスタートしたのでしょう。スピリッツ面白かったもんなー。あれを作った面子は後にトレジャーへ移籍、「ガンスターヒーローズ」等へ名作アクションの系譜は引き継がれていったわけです。いや、多間接ボスの系譜かな。
さて、久々の一発死にアクションは楽しいけど厳しい。厳しいけど楽しい。ダブルスクリーンはもっぱら演出よりもプレイヤー不利の方向に働いている印象。どちらかの画面に集中しているとあらぬ方向から敵弾が・・・。難度ノーマルからかなり手応えがある反面、イージーは自機の数2倍、武器の強さも最初からMAXと非常に遊びやすくてヌルゲーマーにもいい感じです。現在、イージーをクリアすると出現するチャレンジモードで奮戦中。アクションゲーム版フェイの問題みたいな感じで激アツです。たまらん。
過去記事:virt「FX3」
関連リンク:【DS】魂斗羅 Dual Spirits part6【Contra 4】(携帯ゲームソフト@2ch掲示板)
2008.02.09
福満しげゆき「僕の小規模な失敗」

まともに考えればたしかに生活能力もないような僕といるより…彼女は実家に帰ったほうがいいにちがいない………………でも僕は…彼女をはなさない…僕のために!!(P137)
福満しげゆきの自伝的日記マンガ。作者の高校入学から結婚までを描く。
主人公である「僕」はどうにかこうにか高校へ入学するが、持ち前の社交性の無さに加え、同級生の程度の低さと職業訓練的な授業に馴染めない。そこでマンガ家になろうと一念発起し一心不乱に描き続けるものの、元々描きたいものがないまま始めたマンガは行き詰まり、留年、そして退学。友人と始めたルームシェアも頓挫、学生に戻ろうと定時制高校に通うがそこでも居場所を作ることはできなかった。
ちょっと前から気になっていたマンガで、友人がこれの続編を目の前で買っていたので気になって読んでみました。・・・わー読むのきっつー。読んでてグサグサ来るというか気分が沈んでくるというか、主人公が社会に向ける妬みと僻みと羨望の眼差し、そして身の置き所の無さ加減は間違いなく自分そのものです。人を誘いもしないくせに死ぬほど誘われたがっていたり、自分と同級生を比較しては意味も無く落ち込んだり・・・心当たりがあり過ぎる。社会から孤立して肥大した自意識に妄想が加わるとホント身動きが取れなくなるですよ。嗚呼獣のようなこのすがた。その点この作品の「僕」は部員を集めて学校に柔道部を作ったり、意中の彼女に猛烈アタックをかけたりと、意外に行動派で暗くてダメなだけの人間とは違う感じ。常に要所で自分を冷静によく分析できています。第11話あたりの"なぜこんなに悲しいのか"という下りはクオリティが高過ぎ。思春期のあのモヤモヤした劣等感や懊悩を克明に描き出していて凄いです。普通の人には恥ずかしくてなかなか告白出来ない心の内を独白している点がポイント高め。できたらどん底の高校時代に読みたかったな。高校夏休みの推薦図書にすべき一冊です。
しかし、これほどまでに自分をさらけ出した後の創作活動というのはどんな感じなんでしょう。普通チビチビ切り出していくものを最初に全部見せてしまったような気が。やっぱり以降は日記マンガがメインになるのかな?「NHKにようこそ」の滝本竜彦みたく懊悩したもの全てを吐き出したらゼロになったりしそうなものですが。それでも人生は続くわけで本作最終ページ、ラストのコマで読者に微笑みかける「僕」が強く印象に残りました。