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2006.01.26 

エドワード・ゴーリー「うろんな客」


It was subject to fits of bewildering wrath,
During which it would hide all the towels from the bath.(原文)

ともすれば 訳のわからぬ むかっ腹
風呂のタオルを 一切隠蔽 (訳文)

訳のわからない癇癪を起こすこともしばしばで、
そうすると 浴室のタオルをみんなかくしてしまうのです(散文)


週刊少年サンデー連載「さよなら絶望先生」でネタとして使われていたり、巡回ブログのアフォリエイトで見かけて気になっていたエドワード・ゴーリーの絵本を買ってきました。近所の本屋には他に「ギャシュリークラムのちびっ子たち」「優雅に叱責する自転車」しか置いてなく、迷った末「うろんな客」を購入。ウチにはよく甥が遊びに来る為「ギャシュリークラム」(アルファベット順に子供がいろんな死を遂げるお話)はあまりにシャレにならないのでやめ。理不尽な死でない分「不幸な子供」なら別にかまわないんですが。
訳に加えて英語の原文が載っているので不思議に思い、よく見ると原文自体が韻を踏んだ言葉遊びになってるんですね。マザーグースっぽい感じ。直訳すると、意味は通じるけれどもおもしろみや原文の意図するところが消えてしまい、意訳すると日本語とのバランス取りが難しい。この「うろんな客」で訳者は5・7・5・7・7の短歌形式に翻訳することで、詩の持つリズムを楽しませる事を優先した模様。その分、原文にある韻の面白みと文章の分かりやすさは失われているわけで、原文が載っているのも頷ける話です。訳者あとがきでは意味を解りやすくした散文形式の訳も載っていて、ぬかりありません。
ゴーリーの絵本は未だ数冊しか読んでいませんが、死や不吉、敬謙な信仰を笑うような不謹慎さ、そして鬱状態の気だるい感じがとても気に入りました。ちょっとした毒というか、読後に何とも言えず嫌な気分になったりする物語を、あえて低年齢向けの絵本という形式にして出版するところが洒落たやり方だと感じます。
モノクロ線画も非常に魅力的。物語の恐ろしげな世界観をどこか滑稽に彩り、『恐怖』『戦慄』の手前で踏み止まる事に成功しています。忌み嫌われる存在である死神や、一様に陰鬱な表情のキャラクター達にも何気に愛嬌があって可愛らしい。「うろんな客」もバスケットシューズ(コンバースかな?)がとても似合っています。

関連:エドワード・ゴーリー著作一覧
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