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2006.01.13 

木尾士目「げんしけん」7巻


「自分の性的な空想を世の中に発表するなんて 考えてみればすごいですよね・・・・・・」(P41より)

主人公笹原完士は椎応大学の新入生。「おたく系」のサークルに入会しようと意気込むが、照れとプライドが邪魔して素直になれない。ある時、同級生の高坂真琴(イケメン、彼女有)に誘われて現代視覚文化研究会(通称げんしけん)の門をくぐるが・・・。
前作にあたる「四年生」「五年生」で余す所無く描いた男女関係のドロドロ具合から一転、大学のおたくサークルの実態を迫真のリアリティで描いたコメディ作品。しかし大学生という世間から一種浮いた立場と実社会とのギャップを描いている点ではテーマは同じ。著者は余程大学時代に未練があるか思い入れが深いようです。
コミケ、エロゲー、フィギュア、同人誌、コスプレと主要なおたくカルチャーを押さえつつ、作中漫画「くじびきアンバランス」ではアニメ化設定やセル画を実際に制作、その同人ゲームに到っては画面はもとより固有技、連続技まで設定する熱の入れよう。同人ゴロの存在、腐女子のやおい的思考やコスプレイヤーの気持ちなど非常にデリケートな部分もキチンと描き、世間で『おたく』と呼ばれる文化をほぼ網羅した感があります。濃密な取材の成果と呼ぶのが相応しい、この「空気」の再現度は壮絶。
当初は自分らが世間で白眼視される存在だと自覚している事を皮肉っぽく、時には卑屈に描いていましたが、唯一の常識人であるヒロイン春日部咲をおたく達に絡ませることによって、おたくの感覚と一般人の感覚の自然な対比、及び閉塞しがちな物語を展開させ盛り上げる事に成功しています。私が好きなキャラクターはヤセのノッポメガネ、斑目晴信。当初は笹原に感情移入して読んでいたのですが、途中から斑目にひどく感情移入してしまいました。『もしかして俺、ズレちゃってる?』と自問する斑目は俺そのもの。
さて7巻。主要な面子もほぼ卒業してしまい物語もゴールが見え始めた昨今、コミケのサークル参加を軸にコスプレ女王大野がムッツリ腐女子荻上の頑なな心を解きほぐそうと奮闘します。自分としては、ラストまでに斑目が咲ちゃんに告白するところまで描いてくれたら神漫画だと思うですよ。
木尾士目作品では登場人物が必死な時や冷め切った時に見せる険しい"目"が好き。そういう目を一切しないクッチーもまた、好き。

関連:木尾士目インタビュー
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