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2005.12.28 

山本一力「あかね空」


「ぐしゃぐしゃてえのは、おれの親父が命懸けで造ってきた豆腐のことかよ。そんだけのことを言うからにゃあ、てめえの豆腐はよほどにかてえんだな。どうやって食うんでえ、鉋で削るか鋸で挽くのか、どっちでえ」(P370より)

お袋からの借り物。江戸の豆腐屋一代記。第126回直木賞受賞作。
宝暦十二年、江戸。身一つで京都から出て来た豆腐職人の栄吉は、京豆腐の老舗、平野屋の味を広める為に奮闘する。しかし江戸の硬い豆腐に慣れた町人の口には、柔らかで上品な栄吉の豆腐は合わず、商売はなかなか軌道に乗らない。そればかりか地元の豆腐屋ともうまくやっていけず栄吉は次第に孤立していくのだった。
こういう時代物を読むのは久し振り。上方(京都)からやってきた一人の男を巡り、地元の人々それぞれの思惑が絡み合って物語は進みます。前半は栄吉夫婦の苦闘とそれを影で支える者達を、後半は栄吉夫婦と三人の子供達の愛憎劇を描いていく二部構成。前半は商売がうまくいかないながらも志を曲げずに踏ん張る栄吉のたくましい姿や、栄吉に密かな想いを託し協力してくれる人々の姿に泣けるんですが、後半は家族が互いにスレ違う想いからドツボにはまっていく様を余す所無く描いており、正直読んでてシンドイです。言葉にしなけりゃ伝わらないけど、言葉だけでも伝わらないんだよなぁ。母親にエコ贔屓された長男のボンボンが悪い遊びを覚えて身代を潰していき、残された弟と妹が苦闘する様は正に花登筺の「あかんたれ」の世界観。母おふみのネチネチとしたイヤミとイジメに胃がキリキリします。
派手な展開も無く、人と人の係わり合い、互いの愛憎関係をしっかりと描いているのでラストの大逆転は拍子抜け。ちょっぴりファンタジーだなと思いました。そりゃ傳蔵親分はイイ人だけど・・・ちょっとね。毎回『影ながら見守っていた善人によって京やは守られました』じゃあんまりじゃない?
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山本一力著「あかね空」を読んだ。江戸時代に上方から江戸の下町に移り住み、豆腐屋を営む男とその家族の物語。家族が団結することの強さと、その反面、四六時中顔をつき合わせている親や兄弟であっても本当に理解し合うことが、いかに困難であるかを再認識させてく....
あかね空 | 半端人生 at 2006.01.14 00:50
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