--.--.-- 

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

2005.10.12 

滝本竜彦「NHKにようこそ!」


俺の話を聞くなり、山崎は顔をしかめた。『呆れかえった』という表情をしていた。
「一週間も部屋に閉じこもってエロ画像集めてたって――あんた、もしかして白痴ですか?」(P97より)


これも貰い物。以前から読みたかったのでダンボールの中から発見した時は嬉しかった。作者の滝本竜彦というとNHKのBSアニメ夜話(新世紀エヴァンゲリオンの回)で異様にテンパっていた姿が記憶に新しいですが、アレで好感を持って彼の著作を読みたくなったのはまぎれもない事実。
大学中退の無職22歳、佐藤達弘は自宅アパートにひきこもってはや4年。『俺が社会に出られないのは秘密組織の陰謀なんだ』などと妄想する毎日。ある日、佐藤はバイトの面接に行ったマンガ喫茶で奇妙な女の子に出会う。『ひきこもりの脱出方法、知ってるよ』という彼女に、無理やりカウンセラーとして契約させられてしまうが・・・
ひきこもりを題材にした適当なラノベだと思っていましたがどうしてどうして、真面目な青春小説です。平成の「グミチョコレートパイン」というか。オタクの純文学と言ってもいいかもしれない。タイトルは妄想ネタですが「電波オデッセイ」みたいに弱い人間が妄想にすがって日々を何とかやっていくという話ではなく、いい年してモラトリアムを抜け出せない人間が社会と折り合いをつける話でもなく、ダメな人達が集まってそれなりに楽しく日々を過ごすというおはなし。
以下ネタバレ。

ひきこもり小説であった前半から、後半はもっと深刻な人(中原岬)の台頭でひきこもりうんぬんは吹き飛んでしまうんですが、生きるのがつらい者同志、比較する事によって自分の悩みのレベルを知ったりするもんです。『他者と己を比較し過ぎてしんどくなる自分に必要なものは、自分でも見下せる存在』と自覚して生きている岬ちゃんは本当に可哀想。対して主人公はひきこもりで対人恐怖症にさいなまれてはいるけど、崖っぷちまでは行って無いんだよな。むしろ自殺名所のガイドブック見て雑談してる位のスタンス。そんな彼に岬ちゃんを救う事は多分できないんだけど、肝心な時にあたってウソ臭い言い訳をしなかったのが男らしいと言えば男らしい。岬ちゃんが『ダメで寂しい人間の、相互扶助に関する契約書』に捺印を請求する当たりからの展開は震えます。
これからも毎日毎日「もうダメだもうダメだ!」と呟き続けて生きていくのだろう。それでいいのか?(P267より)
それでいいんだ。
「元イジメられっこ」「実家が商売をやっていて長男」「代アニでゲームクリエイター志望」隣室の山崎君のキャラはいいですね。思わず感情移入しちゃいます。「俺達が成り上がるにはもうエロゲー作って一儲けするしかない」とかどこかで聞いた様なセリフだ(笑)。
この記事へのトラックバックURL
http://qpd.blog24.fc2.com/tb.php/28-76f3f057
この記事へのトラックバック
この記事へのコメント
管理者にだけ表示を許可する
 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。