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2008.03.20 

ジョエル&イーサン・コーエン「ノーカントリー」

no country
「人は失ったものを取り戻そうとしてさらに失うのだ。結局出血を止める他はない」

ダメな人が少し欲をかいた為に不運な事件に遭い、マヌケなドジを踏んでみじめに死んでいく作品を撮らせたら世界一。コーエン兄弟の快挙、第80回アカデミー賞作品、監督、脚色および助演男優賞受賞作。
1980年代のアメリカ、テキサス。砂漠でハンティングを楽しんでいたベトナム帰還兵ルウェリンは、丘の下で数台のクルマと射殺された複数の死体を発見する。二つの組織が麻薬の取引で揉めて相打ちになったらしい現場を調べるうち、ルウェリンは大金の入ったトランクケースを発見する。自宅にトランクを持ち帰ったルウェリンは、唯一生き残った怪我人に水を与える為に現場へ戻るが・・・。
面白い脚本があっていい感じの"間"を撮れたら映画にBGMはいらないですね。むしろ邪魔。以下ネタバレ。

最後は尻切れトンボと言う無かれ。コーエン兄弟だからこれでいいし、コーエン兄弟だからこそあのラストなのでしょう。運命的に登場人物が出会い必然的に交差するものの、特に意味も無く死んでいくこの不合理と空虚さ。配置された役柄とその自然な行動が理想的な予定調和というか、物語の終着点からズレてるんですね。豊かな経験に裏打ちされた腕利き保安官は特に犯人を追い詰めたりしませんし、運命の二人は決着を付けることなくリタイア。主役が死ぬシーンでさえ、遠くで銃声が鳴った>あれ?この死体あの人?という具合。この兄弟の作品はドラマの熱量を感じさせません。そして陰惨な話なのにどこか間が抜けていて滑稽。ブラックコメディみたいな感じです。凄まじい威圧感を放つ殺し屋シガーが見通しのいい交差点で突如事故るところなどは、どう考えても笑いどころ。社会通念から外れたアウトローが交通ルールを破った一般人にブチかまされるという皮肉なのでしょうか、シガーと子供のやりとりも国境でのルウェリンのそれと対比して笑いを誘います。
迷いも躊躇もなく平然と法を逸脱していくアウトロー達並居る中、善良で賢明な人々の言葉や老保安官のボヤキが光ります。ルウェリンの奥さんが狂人相手に見せるやけっぱちな強さとかステキ。構造や構成などいろいろ過去作「ファーゴ」に類似していて、また「ファーゴ」観たくなりました。

関連リンク:「ノーカントリー」の結末の夢の意味(ベイエリア在住町山智浩アメリカ日記)
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