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2008.02.09 

福満しげゆき「僕の小規模な失敗」


まともに考えればたしかに生活能力もないような僕といるより…彼女は実家に帰ったほうがいいにちがいない………………でも僕は…彼女をはなさない…僕のために!!(P137)

福満しげゆきの自伝的日記マンガ。作者の高校入学から結婚までを描く。
主人公である「僕」はどうにかこうにか高校へ入学するが、持ち前の社交性の無さに加え、同級生の程度の低さと職業訓練的な授業に馴染めない。そこでマンガ家になろうと一念発起し一心不乱に描き続けるものの、元々描きたいものがないまま始めたマンガは行き詰まり、留年、そして退学。友人と始めたルームシェアも頓挫、学生に戻ろうと定時制高校に通うがそこでも居場所を作ることはできなかった。
ちょっと前から気になっていたマンガで、友人がこれの続編を目の前で買っていたので気になって読んでみました。・・・わー読むのきっつー。読んでてグサグサ来るというか気分が沈んでくるというか、主人公が社会に向ける妬みと僻みと羨望の眼差し、そして身の置き所の無さ加減は間違いなく自分そのものです。人を誘いもしないくせに死ぬほど誘われたがっていたり、自分と同級生を比較しては意味も無く落ち込んだり・・・心当たりがあり過ぎる。社会から孤立して肥大した自意識に妄想が加わるとホント身動きが取れなくなるですよ。嗚呼獣のようなこのすがた。その点この作品の「僕」は部員を集めて学校に柔道部を作ったり、意中の彼女に猛烈アタックをかけたりと、意外に行動派で暗くてダメなだけの人間とは違う感じ。常に要所で自分を冷静によく分析できています。第11話あたりの"なぜこんなに悲しいのか"という下りはクオリティが高過ぎ。思春期のあのモヤモヤした劣等感や懊悩を克明に描き出していて凄いです。普通の人には恥ずかしくてなかなか告白出来ない心の内を独白している点がポイント高め。できたらどん底の高校時代に読みたかったな。高校夏休みの推薦図書にすべき一冊です。
しかし、これほどまでに自分をさらけ出した後の創作活動というのはどんな感じなんでしょう。普通チビチビ切り出していくものを最初に全部見せてしまったような気が。やっぱり以降は日記マンガがメインになるのかな?「NHKにようこそ」の滝本竜彦みたく懊悩したもの全てを吐き出したらゼロになったりしそうなものですが。それでも人生は続くわけで本作最終ページ、ラストのコマで読者に微笑みかける「僕」が強く印象に残りました。
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