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2005.09.27 

貴志祐介「天使の囀(さえず)り」


「だが、まだまだ認識が甘い。地球上で最も繁栄している多細胞生物は、人間でも昆虫でもない。線虫だ。線虫こそが地球の本当の支配者だと言っても、過言ではない」(P282より)

トラックバック先の記事で興味を持ったので購入。貴志祐介は「黒い家」が凄い面白かったので期待していました。
北島早苗の恋人、高梨は新聞社主催のアマゾン調査隊から帰国後、別人に変容し直後に自殺してしまう。そして他の調査隊のメンバーも次々と変死を遂げている事が明らかとなる。高梨達が踏み込んだ「呪われた土地」には何が?死者の耳に聴こえてくる「天使の囀り」とは?
で、読了。いやー凄い面白かった。堪能。満足。こんなに読み進めるのにドキドキしたのは久し振り。この人の作品は「黒い家」もそうでしたが、文中の解説の仕方がうまい。しばしば物凄い勢いで学術的な話が始まるのですが、読み進めることで自然に専門家のレクチュアを受ける様に「対象物」への理解を深める事ができ、いざ主人公のピンチにはいっぱしの専門家として対応できるような気になっています。かといって説明過多だったり理屈っぽくなってはいない。登場人物がいずれも何らかの専門家なのは、噛み砕いて分かりやすくする為なのかもしれません。
途中、オタクのフリーター荻野の描写が生々しくて、イマジネーションでここまで描けたら凄いと感じました。彼が神聖視している架空のエロゲー「天使ヶ丘ハイスクール」はちょっと面白そう。
以下ネタバレ。

線虫を蛇になぞらえて大地母神を崇拝するスネークカルトに繋げ、天使の翼>猛禽類>蛇を狩るもの、と解明されていく下りは興奮しました。話の大筋は既存の伝染病パニックものであるのに、構成のせいでラスト近くまで雰囲気はミステリーなんですよね。だからこそ教団『地球の子供たち』全滅の辺りはやり過ぎな感じがして残念。回虫が全身に回ると吐瀉物に混ざったり脳に達する話は聴いた事がありますが、教団全員が水辺で膨張、硬直しているのはちょっとリアリティが無い様に感じました。蕾が破裂して依田が感染する流れにするには必要だったのかもしれませんが・・・。
早苗が冒頭で恋人と性交渉した為に最後まで感染の疑いが晴れない、というのが物語の一つのスリルだったのですが結局何も無かったのが残念。
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