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2007.05.03 

佐々木淳子「ダークグリーン」全5巻


「S国の人間は信用できませんね」
「何いってんだよ、どうしてここに現実の国家争いを持ち込むんだよ、同じ人間じゃないか」(1巻P214より)


濃厚なSF作品を描く少女漫画家佐々木淳子による夢の世界の壮絶な戦い。83年より週刊少女コミックで連載開始、後に雑誌コロネットへ移動。もともとのコミックス版は全10巻。現在無料WebコミックMiChaoにて関連作「ディープグリーン」が連載中。
その日、全人類が同じ夢を見た。ゼルという巨大な悪夢が襲い掛かってくるその夢は「Rドリーム」と呼ばれ、眠ったまま死ぬ人間が出るなど大きな社会現象となっていた。美大浪人2年目の西荻北斗はRドリームを信じずバカにしてさえいたが、友人が眠ったまま死んだ事にショックを受けRドリームに入ろうと試みる。果たして意識を保ったままRドリームに入った北斗は、この世界での自分は既に歴戦の勇士であり、しかもRドリーム最強と呼ばれる戦士リュオンの親友「ホクト」である事を知る。
姉貴のマンガを盗み見て少女マンガにハマった私が、最も燃えたSF超大作。チラリと読んだその日から単行本は常に私の部屋にありました。ただの夢冒険だと思ったら次々と展開して、あれよという間に人類全体の問題へと繋がっていく、とてつもないストーリー展開と世界観が魅力。現実では冴えない浪人生、夢の世界では屈強な戦士という願望的な設定はさておき、やわらか頭で思考しなければ全く先へ進めない謎解き要素、植物意識界の冒険では種としての人類の立ち位置、文明の行く末、生物進化の担い手まで総括する壮大なスケール感、封じられた北斗の別人格、リュオンの尋常じゃない愛らしさ、余韻を残すラストシーンとそこらのSFに引けをとらない魅力に溢れています。画的にも不可思議で移ろいやすいフィールドが、いい加減な「夢」というものを上手く表現しているように思います。
全世界の人間が夢の世界に集い戦う、という世界観がネットゲーム、今で言うMMORPGな感じで80年代にかなりの先取り感があります。以前テレビアニメの.hack//SIGN(良作)を見て『おお、Rドリーム』などと思ったことも。皆の遊び場であるネトゲと違い、大多数の人間にとってRドリームは強制的に放り込まれる悪夢であって、楽しめるようなレベルのものではありませんが。夢という対等の場で人種も国籍も、言葉の壁も無く交流できたとしても人間は分かり合えないという結論は似ていますね。でも出会いによっては現実では起こり得ない友情が生まれたりして。バロー、ミュロウ、リュオン、ホクトの一行にはお互い何も共通点は無いけれど、心の強い結び付きを感じて非常に頼もしいです。あれから十年以上が経過し地球環境を取り巻く状況がさらに悪化した今、リュオンは未だ一人で勝ち目の無い戦いを続けているのでしょうか。我々も何とか応援したいもんです、この現実から。
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この記事へのコメント
「ディープグリーン」で検索して私のブログに辿り着いた人がいまして、疑問に思っていましたが、続編名でしたか!たいへん参考になりました。ありがとうございます。
Posted by goldius at 2007.05.05 01:57 | 編集
いえいえ、どういたしまして。
少しでも参考になったら嬉しいです。
Posted by qpd at 2007.05.05 10:47 | 編集
ダークグリーン大好きです。
外伝「リュオン」も良かったです。
続編「ディープグリーン」に期待しています。
Posted by green_junkie at 2008.03.28 23:31 | 編集
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