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2007.04.08 

町山智浩「映画の見方がわかる本 80年代アメリカ映画 カルト・ムービー編 ブレードランナーの未来世紀」


「私はいかなる映画の影響も受けていない」とクローネンバーグは言う。「私は熱狂的な映画ファンだったことは一度もない。私の映画には他の映画からの引用はない。私の映画が言及しているのは私自身だ」(P11より)

知る人ぞ知る映画雑誌、『映画秘宝』にて連載されたコーナー「イエスタデイ・ワンスモア」を訂正加筆した上で一冊にまとめたもの。80年代に撮られた約10作品を、企画された意図から映画監督本人の生い立ち、撮影当時に監督自身が置かれていた状況等を照らし合わせ"こういう作品になった理由"及び作品の本質に迫る。表題2作のほか、「ビデオドローム」「グレムリン1,2」「ターミネーター」「プラトーン」「イレイザーヘッド」「ブルーベルベット」「ロボコップ」を解説。
友人の引越しを手伝っていて発見し、手伝いもそこそこに読み耽ってしまった一冊。後日購入しました。「ロボコップ」にコーフンしてダンスを真似、コタツでビビリながら「エイリアン1,2」「ザ・フライ」を見、ビデオデッキの無い我が家を嘆きながら「ビデオドローム」に想いを馳せ、「未来世紀ブラジル」でラストシーンに憤慨し、「トークレディオ」「サルバドル」にショックを受け、「ブルーベルベッド」が理解不能だった私にとっては、それまでの疑問を全て晴らしてくれる素晴らしい解説書。一つの作品をあらゆる角度から検証することで、面白い面白くないの主観的、批評的二元論ではなく、様々な状況、要因による必然として組み上げられていく一本の作品の生い立ち、最終的に作品の持ち得た性質を感じさせてくれます。
こういう解説本を読んで未見の作品まで観た気になってしまうのは、あまり良いこととは言えないのですけども、考察と細かいウンチクはやっぱり何度読んでも楽しい。「ハウリング」の獣化シーンと「遊星からの物体X」のモンスターの皮膚がぬめりというか、シズル感が似ているなーと常々思っていたら同じ特殊メイク担当だったり、妙~なところで「ビデオドローム」と「ターミネーター」が繋がったり。読み進めるほどに霧が晴れる様に氷解していく長年の疑問。何より読んでるうちに観終えた作品をまた観たくさせる"力"がこの本にはあります。
どうも私は面白いかどうかの批評よりも、こういった解説本の方が性にあっているみたい。そして人を楽しませようとする映画よりも、作り手が自らを投影したオナニー映画の方が好きだという事を痛感しました。上に引用したクローネンバーグのセリフじゃないけど、創作のどこかには必ず作り手が投影されるものだと思うです。それが強烈であればあるほど、それを観た人間に大きなインパクトを与えるのではないでしょうか。

関連リンク:ベイエリア在住町山智浩アメリカ日記
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