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2006.12.27 

作:南条範夫/画:山口貴由「シグルイ」1~7巻


武士道は死狂いである。そのような状態にある一人を仕留めるのに、数十人がかりでもできかねる場合がある。(二巻後書より)

直木賞作家、南条範夫(故人)の時代劇連作を「覚悟のススメ」の山口貴由が劇画化。江戸時代を舞台に、ある剣術流派の狂気に巻き込まれた二人の若者の対決を描く。
江戸時代初頭、寛永六年(1694年)。駿河藩主、徳川忠長はその尋常ならざる残虐趣味が高じ、ついには御法度である真剣による御前試合が駿河城内にて執り行われることとなった。同年九月四日、第一試合。決闘の場に現れたのは隻腕の勇士藤木源之助と、盲目の美丈夫伊良子清玄。これより死合う二人の侍の間には、実は七年にも遡る因縁があった。
ちょっと前に今面白いマンガは何?と知人に訊くと『シグルイ』と言われる事が多くて、気にはなってたんですが・・・確かにこれは凄いです。作画の圧倒的な迫力、全編に漂う禍々しい雰囲気と妖しさ。立ち会いのわずか一瞬に凝縮された緊迫感。剣術に全てを懸けた若者達が交錯する青春の光と影。読みながら背筋がゾクゾクするのは久し振り。「覚悟のススメ」もいいかげん最高でしたがこれも相当の傑作です。原作は短編と言っていいほど短いらしいですが、ネタバレが怖くて調べられません。それはもうネットで『シグルイ』という単語を検索できないほどに情報をシャッタアウトしてます。久々に続きが気になって仕方のない作品です。
ざっと読んだ感じの主人公は藤木源之助ですが、狂った世界に身を置いているのは実は藤木の方で、しかも彼の考えている事はほとんど描写されないので、どうも伊良子の方が主役に見えてしまいます。野心に燃えて社会の底辺から身を起こし、狂人に虐げられた女性を救う様は正にヒーロー。常人では気が狂ってしまいそうな修羅場を、数々の死線をくぐっていくのも伊良子なら絶望の淵から這い上がって自らと女を蹂躙した者どもに対し復讐を遂げていくのも伊良子ですし。娼婦の母親やいく、海亀のエピソードにしても伊良子は本当に憎めない、いい奴です。7巻でようやくなぜ藤木が虎眼流に盲従するのか明らかになったので、ちょっと藤木も好きになりましたが。ヒロインも断然三重よりいくですね。一途な感じがステキです。いや、実際三重はとんでもない食わせ者だと思うよ。正直見てて怖い。
人気マンガ「ベルセルク」にストーリー(黄金時代辺り)や、作画的にも陰影や身体の描き方などいろいろ類似点が多いですが、14巻辺りから迷走し始めた感のあるあちらよりもシグルイの方が全体的にまとまっていて読ませると思います。緊迫感が作中通して持続しているというか。
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