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2006.04.20 

メアリー・ウィリス・ウォーカー「神の名のもとに」


言うまでもなく、キリスト教もかっては地域的なカルトであり、既存の教会指導者や政府から脅威的な集団とみなされた。過激で、反体制的であり、暴力的な要素を含んでいると見られたのである。そして、それが正しかったことは歴史が証明している。(P225より)

事件記者モリー・ケイツシリーズの二作目。カルト教団に拉致監禁された子供たちと一人のバス運転手の運命が描かれます。
1995年アメリカ、テキサス州。聖書の黙示録を教典とするカルト教団、「ジェズリールの家」率いる武装集団に小学生17人を乗せたスクールバスがハイジャックされる。地元警察やFBIが解放を目指し必死に説得、交渉を試みるが解決の糸口も見付からないまま数週間が経過する。女性記者モリー・ケイツは以前教祖サミュエル・モーディカイにインタビューした過去を買われ、事件の取材を任される。
原題は「Under the beetle's cellar(カブトムシの穴倉の下)」。発売年度のハメット賞アンソニー賞マカヴィティ賞受賞。2005年春から「宮部みゆきが大絶賛」のオビが付属。
今までに読んだ海外クライムサスペンス小説の中でも、最も心を揺さぶられた作品。比較する対象が存在しない程の仏契りNo.1ノベルです。今でも時々読み返してはクライマックスでボロボロ泣いています。初めて読み終えた時はひどく顔が熱くなって、涙が止まりませんでした。メアリー・W・ウォーカーの著作はこれを含めて4冊翻訳されていますが(全て既読)、本作が間違いなく最高傑作でしょう。この作品だけえらくレベルが違う感じです。
本作は終末思想的なカルト教団の恐ろしさもさることながら、監禁された子供たちが絶望の中で見せる勇気、そしてバスの運転手ウォルターの語る作り話が非常に心に迫ります。子供達を安心させ、慰める為にウォルターが仕方なく始めたヒメコンドルのジャクソンビルの物語は、ウォルターの過去と現在を綯い交ぜにしながら進んでいきます。絶望、後悔、悔恨、渇望、そして希望。教祖モーディカイの唱える終末を前に、ジャクソンビルの物語も終わりを告げます。二つの物語の結末は・・・。強い余韻を残すラストはどんな形であれきっと読者の心に残るはず。

ずっとこの「神の名のもとに」のちゃんとした記事が書きたかったので、願いが叶いました。この作品が持つ魅力をネタバレせずに上手く文章にしたかったんですが・・・そちらの方は全然ダメでした。断定口調での作品分析や書評は勉強不足の自分にはまだ書けないようです。それはまた、いずれ。少しでも興味を持たれた方は是非読んで貰いたい。その際は当記事のコメント欄に一行でも感想を頂けたらと思います。
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