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2013.09.29 

近田春夫「考えるヒット」1~6巻


老いていくことをパンクではどう正当化するのか、みんなの興味はそこにあったと思う。ひらき直るのか、認めるのか。ところが彼等はごまかした。こっそりと歌のキイを下げて。(1巻P29より)
ギターウルフは、こちら側に「考えること」を放棄させるのである。(2巻P80より)
この曲に限らず、最近のアニメ物は、曲中に主人公の名前が歌い込まれることがまずない。そんなのズルイ。(3巻P114より)
単純で複雑、ふざけているけどシリアス・・・。決してしっぽを掴ませてくれない。文武両道の趣さえある。要するに奥田民生にハマるのはそこである。(4巻P25より)
もう来年はスキー場に行かない、と予感させてくれた広瀬香美というのは、今作がはじめてではないだろうか。(5巻P133より)


50代向けのゴシップ雑誌週刊文春で1997年1月から現在(2013年9月)まで十年以上連載中の人気コラム「考えるヒット」を単行本にまとめたもの。タイトルは小林秀雄の著書「考えるヒント」より。趣旨は流行歌を時代性に照らし合わせてあらゆる方向(事務所の売り出し方からスネアドラムの音まで)から批評することで、毎回メジャーレーベルから発売された最新シングル二枚を批評するスタイルを続けている。現在6巻(2002年分)まで刊行。早く7巻出してくれ。
やっぱりネット通販は便利ですねー。本屋や古本屋で探してた本が検索するだけでパッと手に入るんですから。長年探し回ってた本が一秒も経たずに全部揃ってしまう幸せ。ようやく6冊揃ってホクホク気分で読み耽っております考えるヒット。近田春夫というと一般にはタモリ倶楽部のゲスト出演が一番馴染みがあるでしょうか。まあ、つまりは流行歌を話の肴にあーだこーだ言ってるだけなんですが、まがりなりにも音楽を作ってる方なので言うことにも説得力があります。Amazonのレビューで"大したヒット曲もないくせに偉そうに批評とか何様なの?"とかあって大笑いしましたが、こういうのをヒットメーカーが書くと逆に面白みに欠ける気がするんですが。上から目線ぽくて。慶応ボーイで75年デビュー組、青春時代をグループサウンズで過ごし、内田裕也と筒美京平リスペクトでクレイジーケンバンド、河村隆一、奥田民生が好きなオッサン、と立ち位置を把握して文章読むと非常に楽しめると思います。私にとっては常日頃音楽シーンに思ってる不満やあれやこれやを書いてくれていろいろ嬉しいコラムなのです。流行歌はやっぱりあーだこーだ言う為に存在してると思うんですよね。


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投稿時間 16:20 | 書籍 | コメント(0) | このエントリーをはてなブックマークに追加 |
2012.01.26 

小西康陽「マーシャル・マクルーハン広告代理店。ディスクガイド200枚。小西康陽。」


選曲は自分の営業品目のひとつなのだが、この仕事にはどこか食通のような卑しさが付きまとう。考えれば考えるほど後ろめたさを拭うことの出来ない仕事であるならば、いっそ何も考えず、ただ快感原則に従うべき。(P222~225より)
CDなど全く集める価値がない。まして音楽配信など以ての外。(中略)そもそもディスクガイド本を買う人間に音楽がわかるはずがない。(裏表紙より)


音楽グループ、ピチカートファイブの元リーダー小西康陽によるレコードガイドブック。学研の200音楽書シリーズの一つ。著名なレコードコレクターである著者による名盤レコード200枚の紹介、及び自らの音楽遍歴とポップミュージックについての考察など。ジャンルは主にジャズ、ポップス、ソフトロック、映画音楽など。
恥ずかしながら私も毎日のように中古レコードショップに通ってワゴンを漁っていた若かりし時期がありました。ああ古着屋と線香の香り漂う青春の日々よ。漁ってたのはレコードじゃなくてその下の棚のファミコンソフトでしたけども。物心付いた頃にはサンヨーのモノラルラジカセでFMラジオ聴いて、アメリカンTOP100とかをテープに録っていた少年としてはレコードというのはあまりに縁の遠いシロモノでした。何しろプレイヤーがウチに無いわけで、レコードなんてものを見るのは学校の音楽の授業のクラシック鑑賞くらいのもの。今でこそ駆け出しオーディオマニアの友人宅でドナルド・フェイゲン「ナイトフライ」をCDとレコードを聴き比べて『お~やっぱりCDよりレコードの方が音域広いよね~』とか言ったりしてますが、自宅のメイン環境はスピーカーが片方壊れた3万円のCDMDテープラジカセなので音の良し悪しなど分かるはずもありません。いや左が聴こえなくなることで面白くなるんですよステレオは。マジで。
それはともかく音楽評論家によるディスクガイドというものも一時期読み漁っていたのですが、聴くCD聴くCD世間で名盤と言われているアルバムがことごとく駄目で『やっぱり俺にはホンモノの音楽なんて分からんわ』といつの間にかアテにしなくなってしまいました。友人から借りたこの本は紹介アルバムに意外とヒットが多くて楽しめたもの。紹介されたアルバムを聴いていくうちに『何だバート・バカラックとフィフスアベニューバンドがあったらピチカートファイブ意味ねーじゃん』と少し思ってしまったりとオススメ半分、ネタばらし半分なのも楽しいです。あとコトバ。刺激的な言葉。1974年以降の音楽に聴くべき価値などない。などと煽るような言葉があちこちにあるのが面白いです。そう言いながら1974年以降の音楽もフツーに紹介するし、CD音源も結構褒めていたりして。そういう意味では自分にとってディスクガイドと言うより自己啓発系の名言集に近いものがあります。この人の言葉の世界観好きだなあ。女性の言葉で歌詞を書くことは、さほど困難ではない。もちろん女性の心理などまったく解らないのだが。なるほど。童貞でなくても童貞ソングを書ける峯田和伸とかに近いものがあるな。秋元康とかその辺どうなんだろう。

投稿時間 20:16 | 書籍 | コメント(2) | このエントリーをはてなブックマークに追加 |
2011.06.30 

荒木飛呂彦「荒木飛呂彦の奇妙なホラー映画論」


観客はそれを楽しむことも含めて自分の思うように受け取る権利がある。いや、権利とまで言ってしまうと大袈裟かもしれませんが、「こういう映画だからこう見ろ」なんていう意見に対して、皆さんは「クソ喰らえ」と言い返しましょう。(中略)フィクションと知って恐怖を見据える力さえ身に付けられれば、あらゆる映画の中でホラー映画ほど面白いものはないのですから。(P11、12より)

「バオー来訪者」「ジョジョの奇妙な冒険」の漫画家荒木飛呂彦によるホラー映画論。「田舎に行ったら襲われた系」「構築系」など氏独自のカテゴライズで主に1970年代以降の作品について語る。他巻頭に「荒木飛呂彦が選ぶホラー映画Best20」が掲載。
バルバルバルバル バルバルバル!バオーで荒木作品にハマったオッサンとしてはかなり楽しみにしていた一冊。荒木センセは奇抜な発想とキャラクター造形、印象的なセリフや擬音を武器に少年漫画界の一線で30年以上も走り続けてきた方。こと少年向けアクション漫画の世界においては最も尊敬され、今現在でもそのスタイルや名セリフが多くの作品で引用、模倣され続けている稀有な人だと思います。その御大が創作の参考にしてきた作品、発想の源流は一体どんな作品なのか?『あれだけブッ飛んだ作品を描く人が選ぶ作品はさぞかしマニアックで人を選ぶに違いない』『世間一般で名作と呼ばれている有名作もやはり一般人とは評価するポイントや視点が違うのでは?』などと色々期待しながら読んでみましたが、意外や意外。きっちりと整頓された分かりやすい文章で、どこからどう読んでもホラー映画の初心者向けガイドブックになっています。個人的には冒頭の『僕がその作品に"恐怖"を感じたならッ!それはッ!たとえホラー映画というジャンルではなくてもッ!僕にとってのホラー映画となり得るんだッ!!(意訳)』という実に"らしい"勢いのまま最後まで執筆して欲しかった気もします。別にホラー映画をジャンル別に几帳面に解説しなくても、荒木センセが『わッ!怖ぁぁいッ!』と思った映画をただ延々並べてくれればファンにとって最高の一冊になること請け合いだったんですが。そこは少し残念でした。
というわけでナカミは至極まっとうなホラー映画の分析及び評論であり、その多くが一般の視聴者と同じ目線で書かれているので、荒木飛呂彦という人に非常に親近感を覚える内容となっています。走りゾンビはアリだけどランド・オブ・ザ・デッドのビッグ・ダディ(自我を持ったゾンビ)はNGだとか、ヘルレイザーの魔導師超カッコイイとか、ファイナルディスティネーションは1が至高とか、アイ・アム・レジェンド、ハプニング辺りは結構好きだとか、まるで私が友人と会話している様な内容で、読んでいると荒木センセと一緒に映画談義で盛り上がれそうな気さえしてくるんです。あと創作に携わるものとして(多くの場合原作者という立場に立つ者として)作品の作り手に対しての敬意がそこここに感じられるのもいいですね。それはキューブリックの「シャイニング」よりもキングが作った「シャイニング」をオススメするところや、世間が言うところのポンコツ映画、ボンクラ映画というバカにした言葉で作品を安易に切り捨てたりしないところに伺い知る事ができます。まあフォーガットンはトンデモ映画でオチが反則だとは言ってるんですがw
取り扱う作品が70年代以降とちょっと新しめなのでヒッチコック作品や、ドラキュラものが出て来ないのと、当然出て来ると思っていた激突!が紹介されなかったり、ジョジョの元ネタ的な裏話は少ないので期待した人は少しガッカリするかもしれませんが、一般向けの書籍としてはなかなかよく出来た本なんじゃあないでしょうか。私もチェック漏れの作品がいくつかあったのでこれを期にまた観てみたいと思います。
投稿時間 19:00 | 書籍 | コメント(0) | このエントリーをはてなブックマークに追加 |
2009.02.15 

すたんだっぷ編「ゲームファンブック 100万本の徹夜ソフト」


<ゲームについてコメント>
楽しい。やりすぎるとむなしい。→そこが良い。(桜玉吉)(P120より)


白夜書房から93年に出版されたテレビゲーム関連の漫画アンソロジー。巻末に作家、編集者によるプレイしたゲームソフトの一言コメントを17ページにわたって掲載。執筆陣は竹本泉、上田信舟、小野不由美、我孫子武丸など。
最近はゲーム系SNSのゲームメーターをいじっておりまして、改めて昔のゲームを思いかえしてみたり、積みゲーやらなくちゃと反省したり、久々に新しいソフトが欲しくなったりしてます。自己紹介コメント欄が異様に縦長だとか、やったソフトのリストがプレイ人数の有無でしかソートできない、Amazonからデータを引っ張っているせいで昔のタイトルの画像が無かったり微妙だったり、コード直入力でゲーム以外も登録できてしまったり、通常版、限定版、ベスト版、各社独自のベスト版が乱立してるせいで登録プレイヤーが分散してしまっているなどいろいろ不満点も多いですが、人のプレイリストを覗いているだけで結構楽しめます。
やっぱり一言コメントって俳句や短歌みたいに感情が凝縮されてていいですね。絶賛でも酷評でもサラッと読めてあまり不快な感じがしません。で、一言コメント関連でこの本を思い出して読み返してみたのですが、この本に寄せられているコメントも清清しいほどの主観的感想で気持ちいいです。10点満点でフツーに神々のトライフォースに0点、ストIIに1点つく感情的容赦の無さ。嫌いなジャンルを無理にプレイして酷評、という行為に対する違和感も少なからずありますが、そういう理不尽さをも受け入れる余裕を持ちたいものです。その裏で漫画執筆陣のファイアーエムブレムに対する異常な熱愛ぶりが印象的。お気に入りキャラ同士の妄想カップリングという腐女子ワールドの存在をまったく知らなかった当時の自分にはショック大きかったです。登場キャラが多いソフトにはそういう使い方があるのだな、と大変参考になりました。
で、ゲームメーターの話に戻りますが「やった人が多い順に表示」で上位のタイトルを眺めてみると、皆がほぼ同じ様なタイトルをプレイしていたのは90年代後期までなのだな、とふと思いました。単にゲームメーターのメインユーザーに80年代生まれが多いだけなのかも。これは今のゲーム界に様々な選択肢、プレイヤーの多様性があると好意的に見るべきなのでしょうね。もし特定ハードや似た様なビッグタイトルが幅を利かせていたらそれこそ"閉鎖的で面白みが無い"と感じていたでしょう。皆でワイワイ語りたいけど、賑やか過ぎると敬遠してしまう・・・おかしなもんです。
投稿時間 18:26 | 書籍 | コメント(0) | このエントリーをはてなブックマークに追加 |
2009.01.30 

「新潮45」編集部編 「殺人者はそこにいる」「その時殺しの手が動く」「殺戮者は二度わらう」


「服役して考えたことは……、○○一族に対する恨みでした。自由もなく一日が長くて苦しい刑務所生活を送っておりますと、なぜ俺がこのような苦しい目にあわなきゃならんのか、と思うようになり…(略)ようし、出所したら、刑務所で辛かった分まで仕返しをしてやる、といった考えになっていきました」(「殺人者はそこにいる」P102、103より)

報道エンターテイメント雑誌、新潮45の過去記事を文庫に纏めたノンフィクション集。主に凶悪な殺人事件を追跡取材し、親族殺人から行きずりの殺人、解決した事件から未解決事件、事件被害者や加害者のその後などを詳細に追った記事が集められています。現在までに4冊刊行。
中学生の時分親が買っていた週刊新潮の名物コーナー「男と女の事件簿」でエロに目覚めた生粋のゴシップ野郎である私は、こういう事件ルポものを読むのがとても好きなんですが、このシリーズは少々刺激が強く読後感は最悪。それでも繰り返し読み耽ってしまうのは、平穏な人生のすぐ傍に転がっている悪夢の世界を身近に感じる所為。争い事を好まず平和に生きて来たはずの普通の人が、なぜ凶悪な殺意と出会ってしまうのか。事件は避けられたのか、それとも逃れられない運命だったのか。推理小説やホラー映画、テレビのサスペンスドラマなどはエンターテイメントとして一線を引いて楽しんでいるのですが、ノンフィクションとしての殺人事件は関係者にとって一生苛まれる終わりの無い悪夢。一度凄惨な事件に巻き込まれてしまった人はきっと安心して熟睡することも、人生を楽しむことも出来なくなってしまうのでしょう。

だいぶ以前に書いた記事で公開するタイミングがつかめませんでしたが、先日名古屋・ドラム缶焼殺事件の犯人2人が死刑になったので公開してみました。当時ドラム缶に押し込めて蒸し焼きにしたんだと思って激しく憤ったものですが、ガソリンをかけて焼いたのですね。だからといって何も変わりませんが・・・。死刑制度の廃止議論うんぬんはともかく、死んだ方がいい奴は山程いるしそういった奴に刑務所の懲役刑は全く意味が無いと痛切に思えてくる書籍です。
投稿時間 22:26 | 書籍 | コメント(2) | このエントリーをはてなブックマークに追加 |
2008.11.10 

ズジスワフ・ベクシンスキー「The Fantastic Art Of Beksinski」


I should like my painting and drawing to'survive'.(P16より)
What I paint is above all else, a spiritual self-portrait of me.(P39より)


近代ポーランドの芸術家Zdzislaw Beksinski(1929-2005)の画集。主に何重にも積み重ねられた人間の骨格や朽ちた巨大建造物、禍々しいT字の磔台などを好んで描いた。その全ての作品にタイトルが付けられていない。画集に収録されている絵画は65点。作品と共にベクシンスキー本人のコメントも数多く載せられている。
とうとう洋書買っちゃっただわ。以前画像掲示板に貼られているのを見かけて以来、ずーっと気になっていたんですが、画集でゆっくり眺めていたいと思い購入。すんばらしい。裏表紙でコメント書いてるのがH.R.ギーガーやギレルモ・デル・トロだったりしてベクシンスキー作品との関連性を伺わせます。
ベクシンスキーの人となりを知るまでグロ系のファンタジーアートを描く方だとばかり思っていたのですが、ナチス・ドイツによるポーランド占領や民族紛争、不安定な政局を目の当たりにしてきた人間が描き出す心象風景だと解釈すると、ベクシンスキーが描いているのは幻想世界の風景ではなく、実際彼が肉眼で見てきた風景をキャンバスに写し撮ったものなのだと理解できます。屍骸が折り重なった塔の天辺に立つアンテナやシュタールヘルムを被った屍骸で覆い尽くされた丘等の作品で、その光景を垣間見る事ができます。他にもヒエロニムス・ボッスを思わせる黙示録調の作品もちらほら。「私は自分の展覧会のオープニングにさえ行けないシャイな人間だ」というコメントの下にある作品が、柱の影に隠れた男の絵だったりして編集にも愛嬌があります。

関連リンク:英語版Wikipediaからの翻訳
投稿時間 20:42 | 書籍 | コメント(0) | このエントリーをはてなブックマークに追加 |
2008.06.16 

速水螺旋人「速水螺旋人の馬車馬大作戦」


大発(だいはつ)というフネをご存じだろうか?旧日本軍が開発した上陸用舟艇である。(途中略)そんなわけでフィリピンやソロモンで大発はまさに馬車馬の如くこき使われる。(略)昼間は怖くて動けないから、夜になって、こっそり目的へ向かうのだ。(P69より)

嗚呼、速水螺旋人さんの単行本が本屋で買える日が来るとは。もー嬉しくて涙ちょちょ切れそうです。2003年頃からアームズ・マガジン、コマンド・マガジン等ミリタリー系雑誌に連載された架空戦記ものの漫画・コラムに加え、TRPGのリプレイ漫画などを一冊にまとめたもの。25cm×21cmのデカさに加え2.6cmの厚みが実に頼もしい。あとがきの『AKIRA(の単行本)みたいな本になってしまった』という言葉通りのルックスと手ごたえ。ナカミの方も負けてはいません。おそらくこのサイズ以下の本では潰れて読めなくなっていただろう本人自筆の細かい文字が所狭しと書き綴られており、誌面から飛び出さんばかりにイラストも満載。これ一冊で何時間でも読んでいられる内容の濃さです。素晴らし過ぎる。Amazonのある書評では"「宮崎駿の雑想ノート」みたいな感じ"と書かれていましたが正にああいった感じの一冊です。
速水さんは10年ほど前にカタログ無し、目的無しでぶらぶらしていたコミックマーケットでふと手に取った藁半紙の同人誌「ボストーク通信社」「KITTE HATTE」に魅了されて以来のファン。その数ページの同人誌には溢れんばかりのロシア&SF作品への愛情が詰まっていて、速水さんの『こんなの好き』『こういうのどうだろう』的な架空メカやオリジナルキャラクター、アイデアが描かれていました。ミリタリーやSFにそれほど関心の無い私でも眺めてるだけでワクワクしてくる、そんなトキメく本だったのです。結局コミケには数回ほどで行かなくなってしまったのですが、その数冊の同人誌は今でも大事な宝物。この本読んでたら「ボストーク通信社」の過去十年分のバックナンバー欲しくなってきちゃった。どうにか手に入らないだろうか。
個人的には兵器も銃も軍隊もあんまり好きじゃないけど、速水さんの描く戦車や戦闘機はどこかコミカルで可愛らしい。何だか和んでしまう。乗ってみたくなる。よく知らないロシアやアジアの軍人たちも愛嬌のある顔でズルくて、間抜けで、たくましく、ひたむきに描かれてしまうとじわじわと親近感が沸いてきてしまう。そんな本です。
投稿時間 21:42 | 書籍 | コメント(0) | このエントリーをはてなブックマークに追加 |
2007.08.27 

栗原亨「廃墟紀行」


廃墟は自然に朽ちて行くのが美しい。10年20年と風雨によって浸食され、無機物である建物が有機物へと飲み込まれてゆく・・・。(P58より)

廃墟探検家による廃墟写真集。ところは北海道から沖縄まで、建築物は食堂から病院まで日本中の廃墟を数枚の写真と共に紹介しています。主な物件としては最も有名な廃墟、長崎の軍艦島や映画、テレビのロケ地などに使用されている旧豊和製紙工場など。
私自身は特に廃墟に興味は無いのですが、偶然親戚の家が映っていたので購入。近所に結構有名な廃墟があるので一緒に写ってるかなーとパラパラめくって見たらビンゴでした。その廃墟自体は先日取り壊しが決定したので、もう少し経ったらこの世から消滅する模様。
廃墟とまでは行かなくても、廃屋や放棄された長屋とかならウチの近所にも結構点在してるんですが、廃病院や廃棄されたホテルなど巨大な廃墟というものは近隣住人にとって非常にやっかいな存在。夜間の気味が悪い威圧感に加え、族の溜まり場になったり浮浪者が棲みついたりと治安も悪くなるので困りもの。普段人が立ち入らない、周囲から内部が見えない閉鎖空間なので、とても事件が起こりやすい環境でもあります。最近も廃墟で若者の殺傷事件がありましたし、全くもって忌まわしい都会のジャングルです。怖。
本書では廃墟での軽はずみな肝試しを禁じながらも、探検グッズを紹介したりと少々違和感がありますが、どちらかというと廃墟を美しいと感じる廃墟マニア向けに作っているようです。私なんぞは夜の学校や病院を想像しただけでもキンタマが縮み上がる生来のビビリなので、廃墟探検なんてとてもとても。でもちょっと中を覗いて見たいなーとは思うのですよね、時々。そういう意味での覗き見の楽しさが本書には溢れています。廃屋はアレですが、日の光を浴びた松尾鉱山秩父セメントは確かに美しい。フルカラーの写真集が欲しいかも。

関連リンク:栗原亨HP「廃墟Explorer」
投稿時間 22:40 | 書籍 | コメント(0) | このエントリーをはてなブックマークに追加 |
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