2008.06.07
キリンジライブ in 名古屋CLUB QUATTRO

泰行「・・・・・・」(MCのネタに詰まって照れ笑い)
高樹「・・・まぁ、十年やってもこれですから」
友人夫婦とキリンジのライブ行って来ました。クラブクワトロは名古屋パルコの東館8階にあるライブハウス。ちょっと洒落てて若者多くて自分には敷居が高いスペースであります。以前に演ったZEPP名古屋に比べハコの収容人数が1800人から550人へと大幅に縮小してますが、これは前ライブの集客具合からいっても仕方ないところ。まぁ、規模が小さくなった分だけアーティストを近くで観れるのでよし。そういえば名古屋の馬の骨ライブもクワトロでしたね。開場待ちの列は200番台辺りまで、男女比は1:9くらいで年齢層はパッと見20代前半から30代前半まで、カップルはポツポツ。今回もいくらか当日券あり。
「家路」でライブスタート。堀込兄弟は共にジーンズに水玉模様(?)の色違いワイシャツで登場。長髪伸びっ放しのヤスとデビュー当時から変わらぬ兄樹の髪型。笑顔で楽しそうに演奏するヤスと対照的に押し黙ってキメキメのギター演奏に徹する兄樹がやけにカッコイイ。ヤスの声は初っ端からバッチリ出ていて「エイリアンズ」や「スウィートソウル」の高音域も完璧でした。得意のディビりも軽やかに絶好調。兄樹もボイストレーニングしたのかと思うほど声が出ていたので「悪玉」の兄パートをほとんどヤスが歌ってしまったのがかなりショックでした。ベビーフェイス担当ヤスとヒール兄の歌い分けが出来てこその名曲「悪玉」だと思うんですが。今回の兄樹はコーラスよか極力ギターに専念している感じでした。それは別にいいんですが、兄のメインボーカル曲が一曲も無いのはやっぱり寂しいなー。「この部屋に住む人へ」とかどう考えても兄が歌うべき曲でしょう。
ライブは間にアルバム「7」の収録曲を挟みつつ、各アルバムから数曲づつ歌っていきます(「オムニバス」「47'45"」からは無し)。大好きな「ジョナサン」がいきなりライブ2曲目で感動。ディビディビディビダー♪「雨をみくびるな」。音を歪めた兄樹ギターが炸裂「この部屋に住む人へ」。やっぱり『クラクション長く鳴く』の後は『んー』と言って欲しかった「太陽とヴィーナス」。リズミカルな観客の動きが突然ストップ、名曲「エイリアンズ」。ステージ脇のPAの兄ちゃんまで口ずさんでいた「悪玉」恐るべし。「もしもの時は」では手拍子がバックビートなのかどうなのか観客が困惑する一幕が。コーラスの真城さんとドラムの人が前で叩いてたので多分前なんでしょう。元祖カントリー。
個人的に最高潮といえる場面はありませんでしたが「イカロスの末裔」「太陽とヴィーナス」「自棄っぱちオプティミスト」辺りでそれぞれ大変盛り上がった印象。「YOU&ME」聴きたかったな〜〜、残念。アンコールは季節外れの名曲「千年紀末に降る雪は」とアルバム「7」から2曲。「千年紀末」はともかく、ただでさえ予定調和のアンコールにニューアルバムの曲を平然と入れるのはどうかと。少しはサプライズを感じさせて欲しい。それこそ「エイリアンズ」や「悪玉」とか演ればいいのでは・・・。
さてお楽しみMCは、以前とは別人のように滑らかに語りかけるヤスに驚愕。と思えば弟の振りに対し客席に『こんばんわー』とヤス完全無視の挨拶で返す兄樹が秀逸。ピンバッジの話題はほとんどコントみたいでした。しかし中盤になるにしたがってやはりグダグダに。『市販の青汁より個人営業のスタンドで飲む青汁は美味い』といった話の後、話題に詰まって黙り込んだヤスに、兄から台本作って全国同じMCにしようかというアイデアまで飛び出す始末。やはりMCが上手いヤスはヤスじゃない。
今回もなかなか楽しめました。ドラムとギターが効いているキリンジ曲はポップスというよりロックな感じで、ライブの良さを再認識した感じです。
過去記事:キリンジライブ in Zepp Nagoya
2008.03.25
キリンジ「スウィートソウルep」

今でもあなたは探しているの? 醸し出されることのない美酒を
雨に負けぬ花になるというの? やわらかな心を石に変えて(track.3「愛のcoda」)
兄弟ポップデュオ、キリンジの東芝EMI移籍後第一弾シングル。6曲+インストver.6曲でほとんどアルバムと言っていい趣の一枚。愛に踏み切れなかった過去を悔やむ女性の絶望を歌ったtrack.3「愛のcoda」、アルコール中毒の苦悩を歌ったtrack.5「悪い習慣」など収録曲が秀逸。2003年3月発売。
先週大貫妙子さんのラジオ番組にキリンジがゲストで出ていたので楽しく拝聴しました。妙子さんの地の底から響くような低音ボイス相変わらずいいわあ。ゲストタイムの最後に妙子さんが「愛のcoda」をリクエストした際、妙子さんが『ver.違いを全部聴き比べたら中里正男さんのマスタリングver.が一番素晴らしい』とマニアな事を言っていたので、自分でも聴き比べてみることにしました。私が知る限り「愛のcoda」のver.違いは3つ(聴いた事があるのは2つ)。ジャケットの奥付を調べてみたところ、中里正男マスタリングver.はシングル「スウィートソウルep」収録のものでした。「スウィートソウルep」は5年前、皿が溶けるほど聴いた思い出深い一枚。思い返してみると、アルバム「for beautiful human life」に入ってる方の「愛のcoda」はあまり聴いた事が無かったのでいざ視聴。
・・・結構違うもんですね。マスタリングでこんなにパートの音配分が変わるとは。こういう調整はミックスの段階でやるもんだと思っていました。中里正男マスタリングver.ではオケが歌の邪魔をせずあくまで裏方に徹しているのに比べ、「for beautiful human life」の前田康三マスタリングver.では楽器の音に主張が見られます。コーラスの音量も大きいし、人によってはキーボードやストリングスがうざったく感じるかもしれない・・・微妙な好みの問題だとは思いますが。私もさんざ聴き倒した中里ver.の方がしっくり来ますね。ついでに「スウィートソウル」も聴き比べてみましたが、やはり歌中心の中里ver.か楽器を利かせる前田ver.かで違いがありました。「奴のシャツ」などはオケ中心の曲で成功していると思うので、この違いは面白いですね。他の曲にもエンジニア違いでどんな特徴が生まれるのかいろいろ聴き比べてみたくなりました。
これまでも編曲家(アレンジャー)まではよくチェックしてたんだけど、マスタリングエンジニアもなかなか重要なポジションなんですね。辿っていけば最近のCDの音量が大きいのも、昔のCDの謎の高音も理解できるようになるんでしょうか。
●キリンジ オリジナルアルバムの担当マスタリングエンジニア
・中里正男(ペーパードライヴァーズミュージック、47,45、スウィートソウルep)
・前田康三(3、Fine、for beautiful human life)
・宮本茂男(DODECAGON、7)
2008.03.18
キリンジ「7」

カバンの中のスタンガン 星よりひそかにGPS 横顔きれいな髪
防犯カメラの中の 君がもしもの時は言ってよ please(track.12「もしもの時は」)
兄弟ポップデュオ、キリンジの7枚目のオリジナルアルバム。シングル「朝焼けは雨のきざし」とネット先行配信された7曲を含む全12曲入り。
昨年はシングルに文具を抱き合わせたり、毎月ネットで新曲を配信するなどいろいろな試みが成されましたが、あんまり個人的にキュンとくる仕掛けは無かった気がします。じっくりいい曲作って、小さなハコだろうと出来るだけライブで全国回ってくれれば他に何もいらないのに。新曲のネット配信も本気だったら『アルバムにバージョン違いを収録』などとケチを言わず、ネット配信のみでしか聴けない曲があってもおかしくないと思うんだけど・・・勝手な言い草ですが。楽しみにしていたニューアルバムとはいえ、既にネット配信で大半の曲は視聴済みなので、実質的な新曲は4曲。通して聴いても案の定まとまりの無いバラバラなアルバムです。以下一通り聴き飛ばした感想。
「宇宙のパノラマ」+「the echo」的な趣のスピーディーな一番手「家路」。サビ頭の"鳴らすー↑のさー→"の部分がフラットなのが不満だったけど、ジワジワ良くなってきました「朝焼けは雨のきざし」。マイケルの極意は"フゥー!"とか"ダッ!"じゃなくて息継ぎ時の"ハッ、ハッ"だと思う「SHOOTIN' STAR」。エレクトロニカなバースデーソング「今日も誰かの誕生日」。「Fine」や東芝時代を思わせるちょっとナーバスな一曲「タンデム・ラナウェイ」。アルバム中、合作はこの曲1曲のみ?兄曲弟詞「君のことだよ」。ネット配信ver.は超お気に入りソングですがアルバムver.はイントロとエフェクトが最悪「ジョナサン」。ヤスお得意のダラダラソング「Ladybird」。展開もサビも今アルバム最強、兄樹のお引越し夢想「この部屋に住む人へ」。ポール・マッカートニーみたいなシンプルで楽しいポップス、コールミー♪コールミー♪「囁きは天使のように」。作詞・作曲、演奏、歌全て自分。ミックス自宅。ヤスのひとりでできるもん「グレイハウンド・マン」。おぞましい歌詞がポップに煌くストーカーソング「もしもの時は」。
バラバラだけどいいアルバムです。ドデカとは別の意味でイイ。ジャケットでヒゲ+サングラスでウォルター・ベッカーみたいになってるヤスがいいですな。あと、最悪にCDが取り出しにくいケースだったので閉口しました。あの真ん中がミスドのフレンチクルーラーみたいなヤツ。聴く前にCD割りそうだったよ。再考を促したい。
過去記事:キリンジ「DODECAGON」
2007.12.31
NHK-FM「きょうは一日"みんなのうた"三昧」

大晦日、朝の9時から夜の7時まで10時間に渡って、リクエストされたみんなのうたを年代順に流していくラジオ番組。期間中はみんなのうたホームページからリクエストができました(現在は終了)。
春の「アニメソング三昧」に引き続きNHK-FMで特集やってたので聴いてました。老若男女家族で楽しめる非常にいい企画なので来年も是非やっていただきたいです。正直90年代以降はほぼ知らない曲ばかりでしたが、子供向けの分かりやすい曲が多いので知らなくても結構楽しめました。放送中に初めて聴いたものではこれってホメことば?(youtube動画)が断然お気に入り。アナウンサー歌上手ー。実は寝坊したので半分くらい聞き逃しており、起きて時計見て死にたくなりました。バカバカ、俺のバカ。大好きなわたしのにゃんこ(youtube動画)を聞き逃していたらどうしよう。外に遊びに行かない閉じこもり小学生だった私にとって、午後4時から6時までのアニメタイムにみんなのうたは欠かせないものでした。影絵調の映像が当時は怖くて仕方がなかった「かざぐるま」も今なら冷静に聴けそう。
画像のCDは私が持ってるみんなのうたベスト。みんなのうたの音楽CDは大抵権利関係で何割か別の歌手、別アレンジになっているのが泣けます。でもどうしたって大貫妙子、矢野顕子、谷山浩子の歌声は他に替えが利かないわけで。ウチの親父はマチャアキ以外の寒太郎は認めないらしいです。
関連リンク:てとぺってんそん(youtube動画)
2007.07.21
ダイアモンドホール「サンボマスターvs.真心ブラザーズ 第14回 世界ロック選抜YO-KING先輩!あの麻雀の打ち方は、正直ネェと思いました」

山口隆「いやー桜井さんがいると(ギターを弾くのが)楽だなー」
YO-KING「イントロ(弾いてるのは)俺なんだけどね」
山口隆「イントロ?・・・ああ、あのネズミが鳴いたような・・・」
曲に込められた熱いメッセージと熱狂のライブ、そして親しみやすいルックスで人気のロックバンド、サンボマスター。名古屋は新栄のフレックスビル5階にあるライブハウス、ダイアモンドホールでの真心ブラザーズとの対バンライブに友人夫婦と行って来ました。
私はテレビの音楽番組で流れていたサンボの曲、「そのぬくもりに用がある」にシビれて以来のファン。「何て素晴らしい曲なんだ」とその日のうちに1stアルバムを購入、しばらく「そのぬくもり・・・」を延々リピートし続けていました。無論カラオケでも十八番、歌ってはキモい程MCを再現して嫌がられています。そして今でもサンボで一番好きな曲。あまりライブ等に行くことのない出不精な私ですが、一度は生の「そのぬくもりに用がある」を聴いてみたいなーと密かに想っていたのです。
ちょっと前に友人にサンボのアルバムを貸したら奥さんの方がハマってしまい、旦那とライブ遠征までする大ファンに。その結果、是非今度一緒にライブ行こう、という風に相成ったわけです。対バンの相手である真心ブラザーズには特に興味が無かったのですが・・・。
で、ライブの感想としては真心ブラザーズの二人が想像以上に良かったと。初っ端の真心ライブ一時間だけでも十分4000円の価値はありました。ボーカルのYO-KINGは、話が上手で客を盛り上げるのも上手いですね。遊び慣れた大人の余裕が感じられます。相棒であるギター担当の桜井さんとの掛け合いも何年来の友人としての親密さが伝わって来ていい雰囲気。一通り楽曲を聴いた印象は吉田拓郎の影響が強いフォークロックな感じ・・・今調べたら真心ブラザーズのデビューはフォーク系のイベントだったらしくなるほど納得。でもロックンロールな曲も秀逸なのが多かったです。気に入った曲は「人間はもう終わりだ」「空にまいあがれ」「すばらしきこの世界」辺り。今度アルバム買ってこよう。
さてメインのサンボマスターの方は・・・疲れた。もう飛べない、腕上がらない、水分足らない、足痛い。精魂尽き果てました。客席最前列は二時間まるまる運動会状態。凄い楽しかったけど、周りの観客が後ろから人を突き飛ばしたりのしかかってきたり、円陣を組んで回ったりは勘弁して欲しかったなー。それとも、全て忘れて身を任す覚悟が自分には足らないのかしら。体育会系ロックの真髄(ノリ)を垣間見た思いがしました。体調整えなければ最前列の押しくらまんじゅうは絶対無理。純粋に曲を聴きたいなら後ろで見た方がいい按配でした。演ってくれるか心配だった「そのぬくもりに用がある」はトリで十二分に堪能。やっぱりイイ曲。常にテンションMAXで絶叫している山さんを静かに見据え、曲スタートのタイミングをずっと図っているベース担当近藤さんの佇まいが印象的。
ただ二つのバンドが順番にライブをやるだけでなく、YO-KINGがドラムス木内のMCを茶化したり、真心ブラザーズの盛り上がりを山さんが羨んで観客にマネさせたり、互いのバンドをネタにして盛り上げていたのが楽しくていいライブでした。アンコールのセッション2曲も「夜汽車でやってきたアイツ」「人間はもう終わりだ」で申し分無し。終電にも間に合って最高の一夜でした。
2007.03.27
virt「FX3」
(←click the image)PSGでヘビメタギターが確かに鳴ってる・・・。たまってさんの日記で知ったアメリカのアーティストvirt(Jacob Kaufman)の最新アルバム。20年程前当時のパソコンやアーケード基盤、ファミリーコンピュータ等のゲーム機に搭載されていた内蔵音源PSGを使用、ノリノリのプログレロックを創り出しています。アルバムのコンセプトは「80'sコナミ風のビデオゲームミュージック」ということで全編に渡って悪魔城ドラキュラやTMNTシリーズを思わせるアクションゲーム系の熱いナンバーが目白押しです。自分はもともとPSGの音が大好きなファミコン世代ではありますが、そういう懐古とか抜きに21世紀に生まれ落ちたロックミュージックとして最高のデキだと思うですよ。あー、こんな曲で2Dアクションゲームやれたら感動で泣いちゃうよ。ほぼ全曲端から端までアンコが詰まってるというか、メロディ、ベース、リズム、その全てがフックの塊なのがスゴ過ぎ。track.2の超絶(擬似)ギターソロ(途中でパープルヘイズのギタリフあり)に始まり、荘厳なオルガンが突如ヘビメタサウンドに変貌する悪魔城系サウンドのtrack.3、ヨナオケイシっぽいイントロで始まるtrack.5はtrack2、4で流れたアルバム主題テーマが激しい泣きメロに変貌。展開しまくり問答無用のキラーチューンtrack.7、track.9は狂ったような超絶ラテンリズムがたまらんです。ラストは友人の同人アレンジャーshnabubula(Samuel Ascher-Weiss)による過去アルバムFX1,2のピアノアレンジ。
数日前このアルバムに出会ってからというもの、音楽を聴ける環境にあれば常にFX3をヘビーリピートし、ネット環境があれば御本人のサイトへ行ってmp3を聴きまくっていました。サイトにはかなりの数のオリジナル曲やテレビゲームのアレンジ曲が公開されており、同コンセプトの既発PSGアルバムFX1,2もダウンロードできるので、レコード屋へ行かずして思うさまvirtの世界観を味わう事が出来ます。ゲームアレンジものではゼルダの伝説メドレー「blood of ganon」オリジナルでは「stitch-n-bitch」辺りが琴線に触れました。が、どんな豪華なオーケストラアレンジやFM音源ものよりもやはり彼のPSGミュージックにこそ強く惹かれる自分がいます。パッと見は貧弱な音源だけど、作り手の技巧によってGOODにもGODにも成り得るポテンシャルが秘められてるのがいいのですよ。
ところで、mixi music内のvirtランキング1位の曲「Get on the Bus」の音源がどこを探しても見付かりません。もしご存知の方がいたらお教え下さい。
追記:「Get on the Bus」の音源、見つかりました。MOTHER2(海外名Earthbound2)のアレンジだったのね。
■関連リンク■
「ファミコン・ゲーム音楽カバーバンド」レビュー&リンク集(海外編) (gNgB)
Dwelling of Duels(DoDコンペ音源保管庫)
【OCR】海外のremixを語るスレ part2【VGMix】 (2chゲーム音楽板)
2007.03.17
ナンバーガール「SCHOOL GIRL BYE BYE」

『愛してます』なんて誰に言うの?てカンジでLからRへかけぬける俺の一人旅
スピードを同調 キックとベースのコドウ 躁ウツよろしくビートはゆれる
(track.11「4track Professional」)
ブックオフの邦楽コーナーを物色していたら珍しいシロモノが。迷わずゲット。四人組ロックバンド、ナンバーガール(2002年に解散)のインディーズ1stアルバム。よくライブアルバムを聴きながら「omoide in my head」と「我起立一個人」「IGGY POP FAN CLUB」は一体どのオリジナルアルバムに入っているのかしらと訝しく思っていましたが、コレに全部収録されてるんですね。素晴らしい。リーダーでボーカル&ギター担当の向井秀徳による手書きのジャケ画と歌詞カードがなかなかの味です。
私がナンバーガールを知ったきっかけは、テレビで流れたシングル「透明少女」。騒々しくかき鳴らされる鋭角なギター、変幻自在の激しいドラム、音の割れた拡声器で歌ってるかのようなボーカル。そのビートから生み出されるスピード感はそれまで耳にした事無い衝撃でした。まるでミュージシャンぽくない向井秀徳のイカしたルックス、観客と真正面から渡り合う白熱のライブ映像を見ては心底『ああ、ライブ行きてぇ!!』と焦がれたもんです。祭囃子や民謡ラップ、レゲエのエッセンスの加わった後期以降は全然付いていけてませんが、このアルバムにはまだポップなメロとパンクのシンプルな味が同居していて非常にイイ感じ。4枚のアルバムの中では一番好みかもしれません。確かに「NUM-HEAVYMETALLIC」はスゴイし、ZAZEN BOYSでもナンバーガール時代を彷彿とさせる「黒い下着」「You make me feel so bad」とかは好きなんですけども。私は筋金入りのポップス野郎なのでやっぱりラップとミニマルは苦手。
ライブでは主に最後に演奏されていたナンバー「omoide in my head」がいきなり一曲目に流れるのが印象的。テンポもかなりゆっくりで別の曲のようです。向井曲でやたら繰り返されるフレーズ"愛してるってだーれに言う"はもうこの頃から歌詞にあったんですね。繰り返される諸行無常、甦る性的衝動。好きなコトバは何度も繰り返し歌いたいのだ、とNHKのトップランナーで向井御大が仰っておられたのを思い出しました。
2007.01.23
THE BEATLES「The "Let It Be"Rehearsals,Vol.4 Rock and Roll」

先日ビートルズマニアの友人宅で海賊盤を物色していたら『これ最高』と手渡された一枚。ビートルズ海賊盤の大手、イエロードッグレコードから1994年に発売されたもので、ビートルズ最後のアルバム「Let It Be」のリハーサル時(1969-70)の音源が収録されています。とはいってもビートルズ曲のアウトテイクが収録されているわけではなく、勿論「Let It Be」の曲すら一曲も入っていません。では何が入っているのかというと、アルバム収録の合間に各々メンバーが適当に往年のロックナンバーを延々演奏しているというもの。本来なら売り物にならないようなこういうものが商売になってしまうのが、さすが世界的なビッグアーティストというか。1950年代辺りのブルース&ロックンロールを心底楽しそうにセッションしている様子からは崩壊寸前のバンドといった雰囲気は感じられません。「Lucille」「Bring it on home to me」「Stand by me」など、後のポールのカバーアルバム「CHOBA B CCCP」やジョンのカバーアルバム「Rock 'n' Roll」の収録曲を思わせるナンバーはたまらないものがあります。きっと彼らの大好きな曲なんでしょう・・・それこそ、つい手癖で弾いてしまうような。他にも曲のいくつかは「ザ・ビートルズ・アンソロジー1〜3」に収録されているものもチラホラ。
で、私自身の感想はというと正直ビートルズの正規アルバムより聴いてて気持ちいいです。こういうリハーサルものっていいなー。音が大きかったり小さかったり雑音も多いけど、このリラックス感は他では味わえません。後期ビートルズでは音を歪ませて重ね続け、音楽の実験を行い続けた彼らが、スタジオワークの果てに失ったバンドのライブ感がここに集約しているように思えます。今までに聴いたビートルズの海賊盤ではピカイチの内容でした。